note・Brain・Kindle出版の税金まとめ

所得税

note・Brain・Kindle出版で売上が出てくると、多くの方が最初に迷うのが、「どの金額を収入として考えるのか」「事業所得と雑所得のどちらになるのか」「どこまで経費にできるのか」という3点です。プラットフォーム販売は、サービスごとに収益の仕組みが異なり、販売価格と実際の受取額が一致しないこともあるため、自己判断のまま進めると確定申告の時期に修正が必要になりやすい分野です。

この記事では、個人事業主や副業でコンテンツ販売をしている個人が押さえるべき税務の基本を整理します。note公式は有料記事・メンバーシップ・有料マガジン・定期購読マガジンを案内しており、Brain公式メディアは販売者利益88%を案内し、Amazon KDP日本公式は電子書籍の35%・70%ロイヤリティオプションを案内しています。

販売価格と受取額、どちらで考える?

プラットフォーム販売では、画面に表示される販売価格=そのまま収入とは限りません。プラットフォームごとに、販売者への還元方法や控除の仕組みが異なるからです。

note公式では、収益化メニューとして有料記事・メンバーシップ・有料マガジン・定期購読マガジンが案内されています。つまり、noteは単発売上だけではなく、継続課金型も含めた複数の収益化手段を持つプラットフォームです。
Brain公式メディアでは、Brainを知識やノウハウを販売できるプラットフォームと説明し、販売者利益88%や紹介機能を特徴として挙げています。販売価格を見るだけでなく、販売者の取り分がどう設計されているかを確認することが大切です。
Amazon KDP(Kindle Direct Publishing)公式では、電子書籍について35%または70%のロイヤリティオプションが案内されています。日本は70%ロイヤリティの適用地域に含まれており、70%オプションを選んだ場合は、希望小売価格から消費税等と配信コストを差し引いた額の70%がロイヤリティになります。

ここでよくあるのが、「結局、自分はどの金額を売上として管理すればいいのか」という疑問です。この疑問は実際に相談が発生しやすいポイントです。税務では、見えている販売価格そのものより、自分に帰属する収入をどう把握するかが重要になるからです。

事業所得と雑所得、どちらになる?

所得区分は、個人事業主の方のコンテンツ販売で最も質問が多い論点のひとつです。多くの方が「副業なら雑所得」、「本業化したら事業所得」のように理解しがちですが、実際にはそこまで単純ではありません
国税庁では、事業所得を「事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得」とし、その金額は総収入金額-必要経費で計算するとしています。
一方、雑所得は他の所得区分に当たらない所得であり、副業に係る所得などが挙げられます。また、業務に係る雑所得については、「副業に係る収入のうち営利を目的とした継続的なもの」と説明されています。

つまり、「副業だから必ず雑所得」や、「継続しているから自動的に事業所得」とは言い切れないということです。実際には、収入規模、継続性、営利性、事業としての実態、記帳状況などを踏まえて判断していく必要があります。
実務上でも、単純なラベル分けではなく、所得の性質ごとに整理する前提になっています。この部分について自己判断で進めにくい理由は、所得区分によって、その後の整理や見せ方が変わってくるからです。そのため、「まだ売上が少ないから後で考えよう」ではなく、売上が出始めた段階で一度確認しておく必要があります

入金された月で処理していい?

次にずれやすいのが、いつの売上として計上するかです。プラットフォーム販売では販売日と入金日が一致しないことがよくあるため、「振り込まれた月に処理すればよい」と考えてしまうケースが少なくありません。
ただし、国税庁では、収入金額について、その年において収入すべき権利の確定した金額が収入になるとしています。実際に金銭等を受け取ったかどうかは原則として関係なく、年内に売ったものは、たとえ入金が翌年でも、その年の収入になる考え方です。

もっとも、すべてのケースで一律に発生主義になるわけではありません事業所得については、青色申告者で一定の小規模事業者に該当する場合、届出を行うことで、現金主義による所得計算の特例を選択できます。国税庁は、この手続を「現金主義による所得計算の特例を受けるための手続」として案内しており、対象者を一定の小規模事業者の要件に該当する青色申告者としています。

また、業務に係る雑所得についても、その年の前々年分の収入金額が300万円以下である場合には、その年に収入した金額・支出した費用で計算できる特例があります。
このあたりが、間違いが生じやすいところです。同じ「コンテンツ販売」でも、事業所得なのか、業務に係る雑所得なのか、青色申告かどうか、届出をしているかによって、実務での整理が変わる可能性があります。自己判断のまま進めると、年末に慌てて修正を行う必要が生じやすい論点でもあります。

経費になるのはどこまで?

コンテンツ販売では、経費についても誤解が起きやすいです。よくあるのが、「仕事っぽく使ったから全部経費にしていい」、逆に「プライベートでも使うから全部経費にできない」という両極端な考え方です。これらはどちらも正しくありません

必要経費として認められるのは、「総収入金額に対応する売上原価その他その総収入金額を得るために直接要した費用」および「その年に生じた販売費、一般管理費その他業務上の費用」です。

この考え方に沿えば、制作に使うパソコンやソフトウェア、資料代、通信費、外注費などは、内容や使い方に応じて必要経費として検討できます。
一方で、家事上の費用は必要経費にならないとされていますが、家事関連費のうち業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる部分だけは必要経費にすることができるとされています。自宅家賃、通信費、水道光熱費などは、まさにこの「どこまで仕事分か」が問題になりやすいところです。

つまり、経費で大切なのは何を買ったかだけではなく、その支出が収益とどう結びついているかです。売上が増えてくるほど、単に経費に入れるかどうかより、あとから説明できる状態にしておくことの方が重要になります。

まとめ

note・Brain・Kindle出版の税務で押さえるべきポイントは3つです。

  1. プラットフォームごとに、販売価格と自分の取り分の考え方が違うこと
    noteは複数の収益化メニューを持ち、Brainは販売者利益88%を案内し、Amazon KDPは35%または70%のロイヤリティオプションを案内しています。
  2. 所得区分は「副業か本業か」だけで決めないこと
    事業所得と雑所得は税務上区別されており、実際には収入規模、継続性、営利性、事業としての実態、記帳状況などを踏まえて整理する必要があります。
  3. 収入計上は原則として「入金日」ではなく「権利が確定した日」で考えること
    収入金額について、原則はその年において収入すべき権利の確定した金額が収入になります。
    ただし、事業所得については青色申告者で一定の小規模事業者に該当する場合に現金主義の特例があり、業務に係る雑所得についても一定要件を満たす場合には特例があります。

コンテンツ販売の税務は、仕組み自体は整理できますが、「自分のケースではどの金額を計上するのか」「事業所得と雑所得のどちらで見るのか」「どこまで経費にできるのか」は判断に迷いやすい内容であるのも事実です。

もしも、各プラットフォームの売上が混在している場合や、副業から本業化の途中で所得区分に迷っている場合経費判断や按分割合を曖昧なまま進めたくない場合は、早めに整理しておく方が、確定申告前の忙しさをかなり減らせます


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